書評『哺乳類のフィールドサイン』狩猟者必携!!
『哺乳類のフィールドサイン観測ガイド』を書評してみます。
作者は、熊谷(くまがい)さとしさんです。
熊谷さとしさんの経歴
・1954年生まれ
・自然保護運動図画工作執筆家として数多くの書籍(170冊程)を発行
・日本野生動物観測指導員
執筆家と動物観測という2つの軸でご活躍されています。
『哺乳類のフィールドサイン』の書評
経歴を調べてみた限り大学で専門的に生物学について学んでいないようですが、本の内容は非常に専門的です。専門用語も多いのですが、わかりやすい説明とイラストで初心者でもすんなり読めます。
本の内容は、
1.フィールドサインとは
2.指行(しこう)性動物の図鑑
3.蹠行(しょこう)性動物の図鑑
4.蹄行(ていこう)性動物の図鑑
5.跳躍性・小さい・目立たない動物の図鑑
となっています。
*フィールドサイン:動物が残した足跡やフン、食痕などの生活痕
*指行性:人間がつま先で歩くように、肉球のある指先で歩く動物(狸や猫など)
*蹠行性:人間と同じようにかかとまでつけて歩く動物(熊など)
*蹄行性:ひづめのある動物(鹿やイノシシなど)
この本のメインは図鑑部分で、各動物の足跡やフン、食痕、ぬた場などのフィールドサインが写真などを多く用い説明されています。
バッグにこの本を入れて狩猟に行って、フィールドサインを見つけたらこの本で調べるといった使い方をすると狩猟をより楽しめそうです。
本の大きさもA5サイズのソフトカバーなのでバッグに入れても邪魔にならず、重くもないですね。
そして図鑑部分に紹介されている動物の数は、34種類。
狩猟獣のうち掲載されていないのは、ミンク、シマリス、ヒグマのみです。そうなんです、ほとんどの狩猟獣が網羅されているんですよ。狩猟者必携といっても過言ではないと思います。
本でも紹介されているんですが、二ホンジカとカモシカのフィールドサインってすごく似ていて判断しにくいんですよね。判別するポイントの1つとしてフン場なのですが、カモシカは、ためフン場になるため100粒以上のフンが30~40センチ四方に堆積しているのに対し、シカは、ためフンにはならないため数10粒程度のフンがまとまっているんですね。
ちなみに去年僕が、
この鹿、すげー量のうんこしてんじゃん!どんだけ喰ってんだよ!笑
と思っていたフンはカモシカのものだったようです 笑
お値段1,980円という手を出しやすい価格なのもgoodポイントです。
是非どうぞ!