MIL(ミル)という単位について

MIL(ミル)という単位は軍隊で使う角度の単位です。

よく使う角度の°(度)は円を360分割したものですが、MILは6400分割したものです。つまり、1°=17.8ミルで1MIL=0.0573°ということになります。このMILという単位は1000m離れたところから幅1mの物を見た時の角度なんですね。文章だとわかりづらいのでイラストにしてみました。

 

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例えば鹿(全長1.5m)が遠くに立っているとして、スコープで見ると全長が5MILだった場合、鹿までの距離は、

1000(m) : 5(MIL)*1.0(m) = x(m) : 1.5(m)

x(m)=1000(m)*1.5(m) / 5

x=300m

という具合に獲物までの距離を測ることができるんです。

 

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対象物の長さの単位をmmにして、

対象までの距離L(m) = 対象物の長さ(mm) / MILのメモリ

というような計算式の方がシンプルで使いやすいと思います。

 

500mm、1000m、1500mmで5MILまでの対応表を作ってみました。

表の薄いグリーンは対象の長さ・大きさ(mm)、オレンジはMILを示していて、表の中身は対象までの距離です。

500mmは鹿の角の長さ、1000mは鹿の足元から背中までの高さ、1500mmは鹿の全長を

仮定しています。

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スコープのレティクルのメモリって5MILくらいが最大ですかね?ぶっちゃけ、散弾銃で狩猟するときって、獲物までの距離は0~100mくらいですよね。

スコープのレティクルで対象までの距離を測れても、狙える距離じゃなさそう。。。笑

さすが軍隊で使う単位。

 

結局、散弾銃猟師にとってMILのメモリは飾りか?

このMILは距離を測るだけではありません。ドロップとか風の影響を考慮して射撃することもできるんです。風は難しそうだから置いといて、ドロップについてまとめてみました。

 

50mでゼロインして100mの的を狙った時のドロップ量を200mm(0.20m)と仮定すると、1000(m) : x(MIL) = 100(m) : 0.20(m)

x=1000 * 0.20 / 100

x=2.0MIL

 

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つまり2MIL上を狙えばドンピシャ当たるってことですかね。

ドロップ量は弾によって変わるだろうから実験しながらMILスコープを使いこなして狩猟をすると楽しそう!

なんだかエンジニアっぽいな。笑