M・O・A(ミニット・オブ・アングル)という単位について

M・O・AもMIL(ミル)と同様に角度の単位です。

 

MIL(ミル)の説明は、こちらをどうぞ。

shot-shell.hatenablog.com

 

1M・O・Aは1°を60分の1にした角度で、100ヤード(91.441m)離れた、1インチ(25.4mm)の幅の物を見た角度です。

※正確には1インチではなく、1.047インチですが、実用上1インチと言っているみたいですね。

(tan(1/60°) * 91.441m(1ヤード)  = 0.026599m = 26.599mm = 1.047インチ)

 

 

MILとM・O・Aの比較

 MIL(ミル)・・・1000m離れたところから、幅1mの物を見た時の角度

M・O・A・・・100ヤード(91.441m)離れたところから、幅1インチ(25.4mm)の物を見た時の角度

 

ただ、日本人にとってはヤードもインチも使い慣れてないので、メートルの単位にすると、

tan(1/60°) * 1000m = 0.290888m ≒ 300mm(1000m離れたところから幅300mmの物を見た時の角度)

とすると、使いやすくなりそうです。

 

M・O・Aをイラストで表すと下の図のような感じです。

 

 f:id:shot_shell:20200608220808p:plain

 

例えば鹿(全長1.5m)が遠くに立っているとして、スコープで見ると全長が20M・O・Aだった場合、鹿までの距離は、

1000(m) : 20(M・O・A)*0.3(m) = x(m) : 1.5(m)

x(m)=1000(m)*1.5(m) /(20*0.3)

x=250m

という具合に獲物までの距離を測ることができるんです。

対象物の長さの単位をmmにして、

対象までの距離(m) = 対象物の長さ(mm) / (M・O・Aのメモリ*0.3)

というような計算式の方がシンプルで使いやすいと思います。 

(いや、0.3を掛けたり割ったりするのは嫌だな 笑)

 

MILと同様スコープのM・O・Aのメモリを狩猟で使って獲物までの距離を測るのは現実的ではないと思います。(測れても距離が遠すぎるし、そもそも暗算で計算できない。。。)

 

結局、散弾銃猟師にとってM・O・Aのメモリは飾りか?

このM・O・A、ドロップスコープのゼロインでも使うことができるんです。

ゼロインの時の使い方について書いていきます。

1クリックでレティクルを1/4M・O・A移動するスコープの場合、下の表のような感じです。

表の薄いグリーンは、的紙までの距離

薄いオレンジはM・OAを示していて、表の中身はレティクルが動く距離です。

的紙までの距離(m) * M・OA * 25.4 / 91.44で計算しています。)

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例えば、50mで射撃をしてて、スコープのレティクルを10mmずらしたい時は、3クリックすればいい感じになるってことですね。

早くスコープを買っていじってみないと。